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フォトギャラリー・3


フォトギャラリー・3

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(写真左上~右下へ向かって)

  1. アネミア
    アネミア・フレクスオサAnemia flexuosa
    ボリビア中央のアンデス山脈(レアル山塊)を東に下ると,一気にアマゾン上流の熱帯に達する。 その手前の標高2800から1800m付近は,常に霧に覆われた雲霧林が発達する。樹幹は厚く苔生し, ランやシダの着生種が豊富である。アネミアは中南米に多いフサシダ科のシダで,地上生だが,葉の 最下羽片だけが胞子嚢をつけ,直立する。9千万年前の中生代白亜紀には北海道にもこのようなシダが あったことが化石からわかっている。
    ボリビア ラパス県 標高2800m付近の路傍で 1994年12月

  2. ケイログロッサ
    ケイログロッサ・パルマタCheiroglossa palmata
    ボリビアアンデスの雲霧林下,陰湿な土壁に緑色の幽霊の手がふっとあらわれた。弱い光沢がなま めかしい。ケイログロッサは稀少なシダで,世界の熱帯から亜熱帯に点在する。日本にもあるハナヤスリ の仲間である。黄色く直立している胞子葉がわずかに彩りを添えている。25年後に訪れた生育地は 周囲が伐採され,惨憺たるものであった。
    ボリビア ラパス県サクラメント 標高2800m 1974年1月

  3. グアナコ

  4. バオバブ
    ディディエバオバブAdansonia grandidieri
    「星の王子様」で有名になったバオバブは,少しも意地悪な木ではない。最も種数の多いマダガスカルでも 現地の人々や動物にも様々な恵みを与えている。ディディエバオバブはその中でも巨体で知られ,道しるべ として地図にも載っているほどである。孤高の立ち姿は,まわりの森林が伐採されたあとのいやしがたい 淋しさの象徴でもある。
    マダガスカル ムルンダバの通称バオバブ街道にて 1998年8月

  5. モレノ氷河
    モレノ氷河Ventisquero Perito Moreno
    アルゼンチン南部,チリとの国境には長大なアンデス山脈の末端が横たわる。南緯50°と少し,北半球ならば 樺太中央部ほどの緯度だが,ここでは広大な氷床が発達し,氷河が湖面に落ちる。周囲には落葉と常緑両方の ナンキョクブナが林を作る。世界遺産に指定されているこの氷河も,近年後退が目立っている。
    アルゼンチン サンタクルス州 2002年1月

  6. スミレ
    ビオラ・アンディナViola andina?
    アンデスの高山植物は,ヒマラヤほど劇的な形態変化を見せない。隆起したのがそれほど昔ではないからかも しれない。それでも,高地の厳しい環境に適応したさまざまな美形には出会うことができる。このスミレも その一つだが,チリ南部まで来ると標高1200?ぐらいで,高山植生となる。多肉質のロゼット葉の幾何学模様と, 白い小さな縁飾りのついた花の対比が美しい。本来のアンディナは白紫の花なので別種かもしれない。
    チリ南部 チレチコ付近の山地で 2004年1月

写真・解説:西田治文 中央大学理工学部(日本植物分類学会)